専攻長挨拶

専攻長から皆様へ

国立大学法人 名古屋大学 | 大学院工学研究科 土木工学専攻 | 工学部 環境土木・建築学科 環境土木工学プログラム 専攻長

 2023年度は,入学式などの行事も含め,大学の教育・研究活動はほぼ対面形式にてスタートすることができました.キャンパスに学生が集い語り合うという,日常の光景が見られるようになったことを心よりうれしく思います.

 名古屋大学土木教室では,今年も42名の学部生,56 名(都市環境学専攻も含む)の大学院生を新たに迎えました.学生数は決して多くはありませんが,逆に丁寧な教育指導ができる環境であるといえます.昨年の秋に入学した留学生は21名です.土木教室は留学生の比率が高く,国際性に富んでいることも特徴の一つです.

 当教室の教員団には,古典的な土木の枠を超えた分野を専門としている教員もおり,その多彩さは全国でもトップレベルではないかと自負しています.この春に定年退職で去られた先生,新たにお迎えした先生がおり,少し陣容が変わりましたが,引き続き多彩な顔触れです.

 土木工学はこれからどのように変わればよいのでしょう.人口減少,働き方改革,情報化などによって,国土や都市の在るべき姿はこれから大きく変わってくる気がします.地震や台風などの規模はますます苛烈になることが予想されており,それに対する備えも必要です.一方で,脱炭素に代表されるような持続性確保という至上命令をつきつけられています.境界条件が定かではない境界値問題を解くようなものであり,まずは境界条件を予想して確定した上で,厳しい制約条件の下で,問題を解かなければいけない,そのような局面にいるような気がします.

 たいへん難しい問題ですが,近い将来にこれを解くことができるような人材を一人でも多く輩出したいと思います.もちろん,研究面でも問題解決に向けて貢献することを目指します.名古屋大学土木教室に引き続きご支援,ご助言を頂ければ幸いです.

令和5年4月吉日
環境土木工学プログラム主任
土木工学専攻長
舘石和雄