専攻長挨拶

専攻長から皆様へ

国立大学法人 名古屋大学 | 大学院工学研究科 土木工学専攻 | 工学部 環境土木・建築学科 環境土木工学プログラム 専攻長

新型コロナウィルス感染症の影響を受け,様々な対策,行動制限のもとで過ごす日々が始まってから1年以上が経ちました。昨年度は未知の感染症に対して手探りの中,感染症拡大防止と大学としての役割の両立を模索する1年であったかと思います。

オンライン講義,Web会議,テレワークなどが急速に普及・活用され,これまで尻込みしていた大学の教育現場でのICT化が加速しました。移動時間,場所に制約されない新しい教育形態として十分に実践でき,これまで以上に効果的・効率的な教育を提供できる側面があることを学びました。いやおうなしに対応せざるを得ない状況からスタートしたコロナ禍での試みの中には,コロナの影響が終息した後にも繋がる新たな展開が沢山あったと感じております。

一方,グループワークなどを通して培われる対話能力,喧々諤々の議論の中からの新たな気づきや調整能力,実験などで経験する失敗から学ぶ力,大学時代のかけがえのない財産である友人とのつながりなど,以前と全く同じ形か少し違う形であるかは別にしても,必ず取り戻さなくてはいけない大学生活の大事なものが確実にあります。本年度は,変えるべきところ,戻すべきところをしっかりと見極めながら,より良い大学教育につながるよう土木教室一丸となって取り組んでいきたいと思います。

さて名古屋大学・土木教室は1961年4月1日に工学部土木工学科として創設されてから本年度で60年を迎えました。丁度10年前の50周年の時は,国中が東日本大震災からの復興を目指し立ち上がろうとする最中でしたが,それからの10年間を振り返ると,一連の地震で初めて2度の震度7が観測された熊本地震,全国各地でこれまでの豪雨の計測記録を上回った平成30年7月豪雨,令和元年東日本台風などこれまでの経験にない自然災害が頻発しました。新型コロナウィルス感染症拡大においては,大都市圏の脆弱さが露呈し,平時の効率性に偏重した社会や国土構造の在り方を再考せざるを得ません。また持続可能な発展に向け2015年の国連総会で採択されたSDGsへ向けた取り組みも待ったなしです。強靭性,持続可能性を兼ね備えた新たな社会,国土づくりに向けて,土木工学分野での研究・技術開発,人材育成の両面は必須であり,名大・土木教室が背負っている使命・責任を肝に銘じて教室の総力を挙げて取り組んでいきたいと思います。

名古屋大学土木教室に,引き続きご支援,ご助言を頂ければ幸いです。

令和3年4月26日
環境土木工学プログラム主任
土木工学専攻長
戸田祐嗣