専 攻 長 挨 拶

専攻長から皆様へ


私たち土木教室は,安全・安心な国土のもと,持続可能で快適な生活を支える基礎づくりを推進して,未来に向けた活力と創造力を養う,という課せられた使命に対し,防災・減災,発災後の対応,資源とエネルギー問題,既存インフラ保全再生,地球環境問題,カーボンニュートラル,未来型インフラの創生などの課題を挙げて,教育・研究を進めています.




しかし一方で,近年,ロシアによるウクライナ侵攻や中東地域における緊張の高まりなど,世界では戦争や紛争が続いており,教室の取り組みとは逆行し,社会に深刻な影響を及ぼしております.土木とは,国土を守り,発展させ,人々が安心して快適に暮らせる社会を支える技術で,また工学の歴史において,軍事技術から分かれ,残った市民への工学が,Civil Engineering,土木工学であります.国土を守るという使命を担う以上,こうした現実に目を背けることはできないと思います.このような時代において土木教室は何ができるのか.私は,土木の本質的な役割について,学生とともに世代を超えて議論し,学び合うことがその一歩であると思います.


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現代の若者たちには大きな可能性を感じます.近年のオリンピックにおける若い世代の活躍は目覚ましく,スケートボードやスノーボードでは,高度な難しい技(トリックと言うらしい)を決め,しかしそれだけでなく,ライバルであるはずの他の選手がそのトリックの成功を心から称え合う姿が印象的でした.競争を超えて他者を尊重するその姿勢は,私たちとは異なる,新たな価値観をもっていると思います.学生も同じ価値観を持っていると感じます.また,グループでの議論や,発表資料の作成,発表力,質疑応答など非常にレベルが上がっております.さらに,スマートフォン,タブレットやSNS,さらには生成AIといった新しい技術を自在に使いこなすことも,私にはできないトリックであります.私たち教員は学生から多くのことを学んでおり,学生の姿には,未来社会への希望を強く感じます. 学生は未来を切り開くかけがえのない宝です.その輝きをさらに引き出し,社会へとつなげていくことが,私たちの使命であると考えています.


2026年4月吉日

環境土木・建築学科長
環境土木工学プログラム主任
土木工学専攻長
中野正樹