プログラムリーダーのメッセージ

井料美帆
環境学研究科 准教授
大気汚染、水質汚濁、廃棄物問題、生物多様性保全、そして地球温暖化―。アジア・アフリカ地域をはじめとする途上国は今、急激な経済発展や社会変化にともなって、深刻な環境問題に直面しています。その背景には、保健衛生、インフラ整備、資源エネルギーの確保、環境と経済の両立、グローバル化などさまざまな要因が複雑に絡み合っており、問題の解決は容易ではありません。しかし、この困難を乗り越えてこそ、本当の意味での持続可能な発展が国および地球全体で実現されるのです。 問題解決に不可欠なのは、なんといっても、専門性と実行力を備えた環境専門家。とりわけ、「使える」環境技術や知識を修得し、それを現実に活用するために自ら具体的に行動する人材を育成することが急務です。
2008年、名古屋大学は、国際的視野に立って総合的に問題を把握・分析し、問題解決のための具体的な方法を提案できる環境人材を育成するために、「名古屋大学国際環境人材育成プログラム」(博士課程前期課程)を開設しました。日本を含むアジア・アフリカ地域などからの意欲ある学生が共に学び、環境リーダーとしての素養を身につける場を目指して、特色あるカリキュラム構築や学生支援など、さまざまな取り組みを展開しています。
特色ある教育プログラム
問題解決へのアプローチ
問題事象の理解、対策技術の習得、制度設計・政策運営能力の獲得を重視した体系的な教育を行います。
多様な専門領域の連携
学生は環境学研究科、工学研究科において専門的講義を受けるとともに、学生の関心分野に応じて、生命農学研究科、国際開発研究科等の講義も受けることができます。
国際的に活躍する人材の育成
講義やセミナーは英語で行われます。留学生と日本人学生が互いに啓発しあいながら学ぶことで、国際舞台での活躍に不可欠なコミュニケーション能力の向上を図ります。
スタディツアー
環境土木工学に関連した場所へスタディツアーへ行き、実際に体験することで経験の幅を広めます。
学内外の協力
企業、海外の大学、研究機関等との連携によりグルーバル研究インターンシップを実施します。高度な専門知識だけでなく、実務のノウハウも修得します。
プログラム体制
名古屋大学では、NUGELPをはじめ、国際環境人材育成事業を全学的に推進するため、「名古屋大学国際環境人材育成センター」を2008年10月に設立しました。環境学研究科長が本センターのセンター長を担当し、環境学研究科や工学研究科の教員が協力して教育を担当します。
プログラム対象学生
環境学研究科都市環境学専攻持続発展学系と工学研究科土木工学専攻の博士課程前期・後期に入学する留学生および日本人学生から選抜します。
お問い合わせ・アクセス
名古屋大学 国際環境人材育成プログラム
〒464-8601 名古屋市千種区不老町 環境総合館
E-mail: ceeipo(at)urban.env.nagoya-u.ac.jp(「(at)」を「@」に置き換えてください)
名古屋市営地下鉄名城線「名古屋大学駅」2番出口からのアクセス
