シビルエンジニアとして広い視野と高い視点をもち
社会に貢献する仕事ができます

関戸 淳二(せきど じゅんじ)さん

東海旅客鉄道株式会社(JR東海)
中央新幹線推進本部 中央新幹線建設部 名古屋建設
部担当部長(名古屋駅建設担当)
(1989年卒業,2015年執筆)




2027年の開業に向けてリニア中央新幹線のプロジェクトを進めています

 2027年開業を目指して進めている「リニア中央新幹線(品川~名古屋間)」の建設計画のうち,名古屋駅建設に関わるプロジェクトの責任者として,用地取得を含む対外協議や総合調整・計画・設計・施工監督等を担当しています.
リニア中央新幹線名古屋駅は,すでにある名古屋駅を含んだ駅周辺の街のど真ん中に建設します.そのため,安全に建設することはもちろん,地下鉄や名鉄・近鉄などのほかの鉄道との乗り換え時の利便性を確保したり,リニア新幹線駅の上部空間(用地取得する範囲)をどう整備するかなど,名古屋市が進めるまちづくり構想との調整も大切な仕事です.  また,信号・電力・建築・設備・車両など,各系統の総合調整というプロジェクトの取りまとめ役となって,開業後の設備ユーザーにとって,またメンテナンスにおいても最適なものを目指して,計画から建設,さらに開業後の運用や保守にいたるまで,幅広い範囲の仕事に関わります.
 このように,日本の大動脈である東海道新幹線のバイパスとして整備するリニア中央新幹線プロジェクトに,鉄道事業者の一員として貢献できるところが一番の醍醐味です.
今はリニア中央新幹線(品川~名古屋間)の開業に向けて全力を注ぐ日々ですが,チャンスがあれば,名古屋~大阪間の早期開業に向けても関わっていきたいと考えています.

 
先生方の教えによって土木工学の本来の役割を学びました

 土木工学科の先生方からは,シビルエンジニア(civil engineer)として,広い視野と高い視点で物事を捉え,判断していくことの大切さを教えて頂きました.
 シビルエンジニアとは,「市民の工学」とも呼ばれ,公共性が高く,生活のもっとも基本となる施設をつくっていく工学で,土木本来の姿といえます.研究では「工学は世の中に役だってこそ学問である」という考えのもと,より大きな視点をもつことや,工学的な視点でみてどのような意味があるのかを常に問われました.
 入学前に抱いていた,土木工学科という名前からくる「土木」という言葉のイメージは決して良いものではありませんでしたが,このような先生方のお話をお聞きしていく過程で,シビルエンジニアが社会に果たしている役割がいかに大きく重要なものであるかがわかりました.
  重要な社会インフラの一つである鉄道施設,特にリニア中央新幹線計画を担当する中で,私の仕事を進めていく上での基本スタンスや軸として大切にしていきたいと思っています. 卒業後も様々な分野で活躍する同級生から刺激を受けます  名古屋で生まれ育った私は,地元の大学であること,両親の学費負担を考え,名古屋大を受験することを決めました.
 大学では水理学研究室に所属し,卒論テーマとして,地下水の浸透に関する実験を中心とした研究を行いました.水理学研究室を選んだのは,研究室を決める際の各研究室の先輩方によるプレゼンを見て,一番楽しそうな雰囲気だなと感じたからです.研究室で過ごしたのは4年時の1年間だけでしたが,ゼミ旅行で乗鞍岳のロッジに車で出かけたり,夜遅くまで研究室で励まし合いながら卒論に取り組んだり,本当に楽しく充実した時間を過ごすことができました.
卒業後も,同級生との交流は続いています.土木工学科出身者は,ゼネコンやコンサルティング,官公庁をはじめ幅広い分野で活躍していますから,楽しい同期会の場は,利害関係を越えた貴重な情報交換の場にもなっています.


広い視野と高い視点で物事を捉え判断することの大切さを学べます

 土木工学は,重要な社会インフラの整備などに関わることから,広い視野と高い視点で物事を捉え,判断していくことが大切であることを学べる分野です.
 実際に,中央新幹線の事業規模は,予算にすれば5.5兆円(品川~名古屋間)もの費用がかかります.このような巨大な事業ですから,中央新幹線本部には,およそ1,000人の社員が所属しているのですが,それをまとめる本部長は,土木工学科出身者です.シビルエンジニアとして,土木工学がいかに広い視野と高い視点をもち,社会に貢献しているかがわかる一例だと思います.
 オープンな雰囲気のキャンパスは,都心ながらも緑豊かで,自然もたくさん残っています.先輩として,高校生のみなさんに自信をもっておすすめできる学部です.ぜひ,足を運んで,いろいろなところを見てほしいと思います.


 係長クラス時代には,東海道新幹線の品川駅新設に関わる計画・設計・対外協議の全般を担当しました.自分が思い描いていたことが現実に完成し,利用されているのを実感できた,非常に印象深い仕事です.