卒業生からのメッセージ

見ず知らずの人々の生活・命を守るために働く土木技術者は「正義のヒーロー」です

森 麻衣子(もり まいこ)さん中日本高速道路株式会社 東京支社
浜松保全・サービスセンター 保全担当
(2016年卒業,2018年執筆)

高速道路の改良工事を行うことで、
みなさんの暮らしや日本経済を支えています

私は、高速道路構造物の改良工事の仕事をしています。分かりやすく言うと、橋やトンネル、舗装などの高速道路を構成する構造物の中で、老朽化したものや改良が必要なものを修繕する工事を発注し監理する業務を担当しています。
現在はおもに、東名高速道路の老朽化した橋やトンネル等の補強工事を発注するべく、対策工法を決定する業務を実施しています。工事を安全かつ計画通りに遂行するために、多くの関係者と協力しながら仕事を進めています。既に供用されている高速道路上での工事のため制約が多い中での作業となりますが、無事に事故なく工事が完了した時は大きな達成感を感じます。これからも高速道路構造物の改良を実施することで、24時間365日みなさんの暮らしや経済を支える大動脈としての高速道路を守ることが、私の使命だと考えています。


土木技術者は「縁の下の力持ち」

土木工学は、人々の豊かな生活を守るための工学といわれています。人や物資を運ぶ道路や橋、水道や電気などのライフラインはいつも安心・安全で不自由なく利用できるようにしなければなりません。また地震や豪雨などの自然災害が発生したとき、堤防や防波堤が人々の命を守っています。これは沢山の土木技術者が「縁の下の力持ち」となって支えているからです。見ず知らずの人々の命・生活を守るために働く土木技術者は、「正義のヒーロー」だと私は考えています。


私が土木工学を選んだ理由

幼い頃から「多くの人たちに役立つような大きな仕事がしたい」という夢を抱いていました。高校時代、受験する大学を決めるにあたり、色々な分野を調べていくうちに、「人々の暮らしを支える土木工学」に興味が湧きました。土木の分野に進めばスケールの大きな仕事に携わることができ、沢山の人たちの生活をサポートできるため、自分の夢を実現できると思ったからです。


男性中心なのは、むしろチャンス!

土木業界は男性が大多数を占めていて、女性は少数派です。しかし近年、女性の土木技術者が注目されており、活躍できるフィールドは沢山あると思います。私の勤めている会社でも男女関係なく働くことができる雰囲気があり、多くの女性技術者が活躍しています。もちろん、本学の環境土木プログラムでも女子学生をサポートする制度が整備されています。特に、「名大土木女子会」では定期的に飲み会を開催していて、そこで先輩方に進路の相談をしたり、他愛もない話をしたりして盛り上がりました。また、そこで仲良くなった先輩や後輩とご飯に行ったこともあります。これは女子少数派だからこそできるメリットのひとつだと思います。

高校時代はとても進路に悩みました

みなさんは「土木」にどのようなイメージを持っていますか?
私が高校生の時は「力仕事が多そう」とか、「過酷な現場が多そう」という先入観にとらわれていました。しかし実際に土木の道へ進んでみると、大規模な建設物を作る達成感、人々の生活を守る使命感という様々なやりがいがありました。また土木工学は非常に奥深い学問だということも、土木の道に進んでみてから知った事です。たとえば、みなさんがよく目にする道路舗装はただアスファルトを敷き詰めれば良いという単純なものではなく、自動車が安全で快適に走行できる様、土木技術者によって綿密な調査や設計を行ったうえで、工事が実施されています。
私が高校生の時、進路を決める際には非常に悩みました。ふと思い返してみると、悩みの原因は土木について十分に理解していなかったことにあったのではないかと思います。土木工学は多岐に渡っているため、入学してからでも様々な進路を選択することができます。そのため、幅広い企業や行政機関で本プログラムの卒業生の方々が活躍されています。土木工学に少しでも興味がある方は、もう少し詳しく調べてみてはいかがでしょうか?

(写真) 高速道路を維持管理する車の前で。大きな事故や災害が発生した場合、自ら現場に急行し、現場調査・お客様対応を行うこともあります。

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